Vino ZR化されるまでの歴史、仕様など。それらを踏まえてZR化を含めた改造ベース車としての適正など。

スクーターの改造の醍醐味。ここに始まり、ここに終わるといっていい部分。わたしは苦手なんですけど・・・。

2ストエンジンの華、ポート加工は・・・なし。エンジン換装、シリンダ換装など。

駆動系とならんでスクーター改造の王道。ヤマハ車ならでは流用による改造がやりたい放題、目白押し。

大幅な出力UPとご近所づきあい・自分のライフスタイルとを天秤にかけましょう。わたしの場合は小技まで。

プラグ等の点火系、点火時期適正化、車両によってはCDIによるリミッターの制御まで。

安全な運転のための適正化、修正等。人気のフロントディスク化は試みてません。

ちょっとした小技、ショートパーツ類。

経年劣化で壊れたもの、自分の改造・整備失敗でこわれたもの、その他不具合の修正、修理の記録です。

現在と、これまでに施した改造内容、およびその効果(体感)、インプレッションなど。

Vino ZRができるまで

Vino ZR化の下調べ

VinoとJOG ZRの諸元比較

前回提示したVinoの諸元とJOG ZRの諸元を比較して性能差を把握します。

型式5AU3YK
エンジン型式3KJ3KJ
全長/全幅/全高(mm)1,620/630/1,0051,625/660/1,020
車重(kg)7070
気筒数配列/総排気量単気筒/49単気筒/49
圧縮比7.3 : 17.2 : 1
最高出力6.3ps / 7,000rpm7.2ps / 7,000rpm
最大トルク0.67kgf・m / 6,500rpm0.74kgf・m / 6,500rpm
1次減速比 / 2次減速比3.692 / 3.2303.692 / 3.000
変速比2.183 〜 0.8962.431 〜 0.889

圧倒的なパワー差ですね。たかだか0.9psと考えるより14%の差とかんがえるのが妥当かとおもいます。

しかしながら、最大出力、最大トルクの発生回転数は同じであることから、同一のエンジンであることが伺えます。

VinoとJOG ZRの部品比較

じゃあ、このパワー差を生み出しているものはなにか、構成部品から比較します。

方法は、ヤマハの部品情報検索から調べるだけで、そんなに難しいことではありません。

エンジン

ビーノJOG ZR(3YKA)
シリンダヘッド3YK-11111-003YK-11111-00
シリンダヘッドガスケット3KJ-11181-003KJ-11181-00
シリンダ4JP-11311-003YJ-11311-00
シリンダガスケット4FB-11351-004FB-11351-00
クランクシヤフトアセンブリ3KJ-11400-003KJ-11400-01(*)
ピストン3YJ-11631-00-963YJ-11631-00-96
クランクケースアセンブリ(左)3KJ-15110-023KJ-15110-02
クランクケースアセンブリ(右)3KJ-15120-013KJ-15120-01
オイルポンプアセンブリ5AU-13100-003AA-13100-02

見てのとおり、ほとんど同じ。シリンダとオイルポンプだけが違ってます。

オイルポンプについては、直接動力に影響がある部分ではないとおもわれるほか、吐出量を決めるとおもわれるギア(ウオームホイールギア)は共通の部品(3AA-13124-00)となってますので、単に車体のクリアランスとか、取り回しによる差異だとおもわれます。

つまるところ、エンジンではシリンダの違いが性能差に直結している。上表の圧縮比の違いはシリンダによるものでしょう。この3YJ型番のシリンダは、高回転型のポート形状になっているファクトリーチューンド仕様といえるものだそうです。

吸気・排気系

ビーノJOG ZR(3YKA)
ダクト3KJ-14437-003YK-14437-00
エアクリーナーケース(裏)3KJ-14411-303KJ-14411-30
エアクリーナーエレメント3KJ-14451-003KJ-14451-00
エアクリーナーケース(表)3KJ-14412-303KJ-14412-30
エアクリーナジヨイント4JC-14453-01(*)4JC-14453-00
キヤブレタアセンブリ5AU-14301-003YK-14301-20
インテークマニホールド3KJ-13555-003KJ-13555-00
リードバルブアセンブリ3KJ-13610-003YJ-11631-00-96
エキゾーストパイプアセンブリ5AU-14610-013YK-14610-10

こちらも一見大きな違いはありませんが、キャブレター、エキゾースト(マフラー)といった大どころの部品が違う。

先にタネ証ししますと、品番からは読み取れませんがキャブはビーノが14Π、JOG ZRが16Πのものを採用しており、「ダクト」はその口径にあわせて変更されたものとおもわれます。

また、エキゾースト(マフラー)もヌケが全く違うようです。

このあたりの部品構成がビーノのパワーを絞っている要因とかんがえてよさそうです。

電装系

ビーノJOG ZR(3YKA)
ベースアセンブリ4JP-85560-103YK-85560-00
ローター2JA-85550-002JA-85550-00
CDIユニツト5AU-85540-003YK-85540-30
プラグBPR6HSBPR6HS/BPR7HS

こちらは多少の違いがありますが、動力に関係する要素は小さいとみていいとおもいます。

CDI、ベースアセンブリ(ステータ)の違いはJOG ZRに装備されている電気的リミッターを作動させるためのものであり、点火時期の最適化等がJOG ZRになされているかは不明です。

ただし、JOG ZR系にはリミッターカットを目的としたものを含め、多くの社外CDIが販売されているという側面もあります。ベースアセンブリー(ステータ)の変更と配線の追加でこれらを使えるようになるメリットはあります。

プラグはシリンダの違いに起因していると考えられます。JOG ZRに装着しているシリンダはより発熱量の高いシリンダであることの証左でしょう。

駆動系

ビーノJOG ZR(3YKA)
プライマリフイツクスシーブ3AA-17611-013KJ-17611-00
カラー(プーリーボス)90387-137Y390387-132W6
プライマリスライデイングシーブ4JP-17620-002EX-17620-02
ウエイト(ローラー)4JP-17632-003YK-17632-00
カム(ランプレート)3AA-17623-003AA-17623-00
V−ベルト4JP-17641-004JP-17641-00
クラツチハウジング(アウター)24G-16611-0324G-16611-03
クラツチ2JA-16620-013WN-16620-01
クラツチスプリング2JA-16626-002JA-16626-00
(クラッチセンター)スプリング90501-357F390501-383E5
セカンダリフイクストシーブ(トルクカム)3AA-17660-033AA-17660-03
プライマリドライブギア3KJ-16111-003KJ-16111-00
メインアクスルコンプリート3RY-17410-10(48/13T)3YJ-17410-00(48/12T)
ドライブアクスルアセンブリ4JP-17420-10(42T)4JP-17420-00(36T)

こちらはまったく違いますねえ・・・。

どっちのどの部品がいい、悪いというのはわたしにはわかりませんが、上表の変速比、減速比の違いへ影響している部分ではあります。

JOG ZRのワイドレシオな変速比を実現しているのは、プライマリ(プーリー)側の2EX型番のプーリーによるものかと。

これらを総括しますと、JOG ZRはリミッターを解除すれば圧倒的なパワーとワイドレシオかつハイギアードなギア比によってとんでもないスピードがでるすばらしく速いスクーターであることがわかるかとおもいます。 同時に、ビーノをはじめとするヤマハのスクーターではJOG ZRのすぐれた部品を利用することで同等の性能に改良することが可能であるともいえます。

補足、修正事項など

表中「(*)」で示した追い番の部品は材質とか製造拠点の変更に伴うものらしく大きな性能差はないと見て、変更なしと判断しました。

比較のベース車両をZRのなかでも我が家のビーノと同年式の3YKA型にしたため、ノーマル最強マフラーといわれる3WF型番のものではありませんでした。ちょっと失敗したかなあ。めんどくさいから修正はしませんけど。

変速比=純正プーリーの可動域と解釈すると、上記3YKBの2.431〜0.889(2EX)に対して3VR(97以降アクシス)他の2.590〜0.815(3XG)、3RY(ジョグスポーツ)の2.512〜0.790(3AA)なんてのはさらにワイドレシオですね。比較的新しいモデルでは5SU2(リモコンジョグ・2003)型の2.420〜0.815(4WX)もそうですね。

なお、ビーノについても、いわゆる1999年の規制後、3XG型番プーリーを採用して変速比が2.493〜0.789なんてすごいことになってます。規制前3XG型番採用車両の変速比は上記のとおり、2.590〜0.815。どこが違うんだろう。同時に、同型番でも違うってことは、一概にプーリーの可動域=変速比ともいえないようで・・・。

減速比については、ヤマハの50ccスクータはドライブギア(プライマリドライブギア)が3KJ-16111-00の13Tが共通で使われているようで、カウンターギア(メインアクスルコンプリート)の一次側が48Tで固定。したがって一次側はビーノでも3YKA、そのほかのハイギア車でも等しく3.692のようです

違いはカウンターギア(メインアクスルコンプリート)の二次側とファイナルギア(ドライブアクスルアセンブリ)による二次減速比となり、流用によるハイギア化のために必要なのはこの2枚のギアとなります。


わが家の原付の・・・
前の記事次の記事